10年の歳月が経過しました

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静かに思へば、よろづに過ぎにし方の恋しさのみぞせん方なき。
人静まりて後、長き夜のすさびに、何となき具足とりしたため、残しおかじと思ふ反古など破り捨つる中に、亡き人の手習ひ、絵かきすさびたる、見出でたるこそ、ただその折の心地すれ。
このごろある人の文だに、久しくなりて、いかなる折、いつの年なりけんと思うふは、あはれなるぞかし。
手慣れし具足なども、心もなくて、変はらず、久しき、いとかなし。

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