7月製作日誌

今年も半年が消化しました、皆さんは何台ぐらい完成させましたか?
今月の目標はC292の完成と秘密の新作を発表します。
9月下旬イタリアのミラノで催されるモデルEXPOの出展準備と忙しくなりそうです。


1日

先月繰り越しのモデルの組み付けです。
窓貼りの工程です
仮止めをして各辺の合いを慎重に調整してから接着します。
私の場合は角のみ接着します。全ての辺に接着すると汚く見えてしまうのと、
全部に接着して雨もりなどありえないのデ、最少に押さえています。
窓貼りに「曇らない瞬着」の使用はしないように・・・!!


2日

ロータス77プレス仕様の制作過程です
43スケールの図面から上面ボディを1mm厚のプラバンで切り出します。
その板をベースに立体化したのが右の写真。
プラバンとエポキシパテで仕上げて一度、樹脂に置換えてから、細かい作業に入ります。


メルセデスF400カービングの3Dデータから削り出しました。
今回からストレートエンドミルとボールエンドミルを使い分け
作業の効率アップを図ります。


データにサフェーシング加工を3回かけて
削った物 

左がデータのまま削った物、
右がサフェーシングを追加してで削った物。
右側は加工しなくても良いくらいに滑らかです。

同じデータから追加加工の違いにより、こんなに仕上りが変ります。
切削時間が延びますが、仕上りや後の加工を考えると○。


ノコで切りだし擦り合わせをして立体にしてみました。
この後は御約束のトホホ・シリコンでレジンに変更します。


3日
マスターモデルのための塊。
後列左側から、alfaromeo NAVAJO,lotus77press,lancia SIBILO,lamborghini GENESISです。
前列左はmercedesC292と塗装の完了したlamborghini FLYINGSTARUです。
このモデルはなぜかアレザンから完成品が出ていません。
シルバー塗装のボディにメッキのバンパーやサッシetcが制作を困難にしているのでしょう!
今回は細目のメタリックカラーを塗装してからメッキ調の塗料「デュポン社・エフェクトラック」を使用しました。
質感の違いも確認でき良い感じに出来ました。
メタルックはどうしてもシワになりますので安っぽい感じになってしまいます。
他社にも同じ成分の塗料が出ていますので御験しアレ。

高級車になればメッキ部も増えてきます。
1/43スケールの質感を損なわずにメッキの表現にはこの塗料は欠かせません。


Be-Jの017シリコンでケミカルウッドからレジン樹脂に置換えました。


レジンになったウェリーズ・プレグンタです。

こちらはメルセデス・カービングですぞ

4日
1日筋ボリしていました、目に良くないです。
ケガいた線の右と左を確認しながらの作業は神経使いすぎ。
この車の塗装がシルバーと言う事で箱状の隅の部分はどうしても塗装がざらつきますので、
フロントボンネットは別パーツにしました、スクリーン前部下側が綺麗に塗装できる様にしました。
ウーーッ、なんと心憎いパーツ構成。


5日
発掘
1970年代にイタリアで発行されていたカーデザインの季刊雑誌です。
1号から37号まで発売されましたが廃刊になってしまいました。
刺激がありすぎてどうして良いのやら・・・・。


6日

アストンマーティン・2020の資料があるなんて???????????
ブガッティの218とベイロンの資料も!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


7日

ベルトーネのポルシェ・カリスマの資料???????????
スバッロのカタログも入手!!!!!!!!!!!!!!!!
物欲は誰にも止められません


8日
メルセデスC292のマスターが出来あがりました
キットはリヤウィング等エッチングになります。
今週中には出来そうですね


9日
ロータス77のエンジンパーツがズラリ、吟味してフィッティングしていきます。


ランボルギーニ・ブラーボのシリコンキャスト


10日
先月から作り始めている一気に30台は苦行ではありません。
本人は楽しく制作しています、あしからず・・。
さて、C292のマスターモデルを粘土埋めしました。


11日
シリコンの日々


両面ともシリコンが入り、後は取り出すだけ。

マスター型を取り出した状態です。
この後、レジンの入るゲートをメスで切り取ります。

ゲートの溝も入り、レジン注型を待つシリコン達、C292とBRAVOの型です。

最近入手したキットの紹介です。

ゲンバラ・ポルシェのミラージュ

こちらもゲンバラ・ポルシェのアバランシェです。

フェラーリ・ミトスもアレザンから出ていました。

オートクリエーションのモト・スバッロです。
飾り台まで付属、レジンとバキューム製です。

夜の部
台風の影響なのか山梨は気温が今年最高を記録したようです。
こんな時期にレジン注型は最悪の環境であります。
液温が25度越えると規定の時間より早く硬化してしまい、真空引きができません。
対策としてはレジン樹脂を冷やす事しか出来ません。
空調の効いた密室では人体に良くないので換気をしながらの作業は日中では地獄です。
そんな理由でこれらの作業はGMT時間に作業します。
夜は集中できますね、当分の間はヨーロッパのサマータイムに合わせて作業です。

なんのクルマか、お解かり?


12日
イタリアのモデルEXPOのWEB siteを紹介します。

C292のパーツ構成です
このほかにアルミシャフトとエッチングパーツ、デカール、レンズ類、バキュームパーツが付属します。
限定ですのでキット希望の方はお早めに・・・・。


13日
レンズ類を付けるとクルマに魂が入りますね。
だるまに目を入れる時と同じ・・・・・・・・・。


14日
キャスト・バカ一代
マンガのタイトルではありませんが、こうしてお休みの日にもキャストに関する、実験をしている私は本当におバカさん。
ビールを冷やして飲みながらの作業ではありません。
レジンのA剤とB剤をアイシングして10℃以下にしてから作業をすると、
ご覧のとうり気泡の無いキャストが出来ます。
テストの結果「90秒硬化タイプ」でもそれ以上に時間をかけ脱泡できました。
大気圧でのキャストでも液温を下げる事により、気泡除去が容易にできるでしょう!

C292のキットはこの方法でキャストします。
購入していただいた、キットの箱を開けながら保冷剤を思い出してくだされば幸いです。
ビールの美味しい季節になりました。

そんな訳で午後は調子にのって、9台分もキャストしてしまいました。
幻のC292がモデルになると幻ではなくなるという御話でした。
せっかくですので完成品は10台限定と云う事にしましょうか・・・・。


15日

バリ取りの後パーツ分けをして、下地の準備をしていきます。


夜の部

ロールスロイス・シルバーレイスのスクラッチモデルがやっと完成しました。
身近にあるクルマだけに、何時でも作れるという安堵感から後手に回され、
足掛け1年かかりましたが完成の運びとなりました。

シルバーレイスはシャドーのストレッチタイプのクルマです。
このモデルも実車と同じくシャドーのモデルを一度キャストしてから、リヤドアの部分でつなぎ合わせています。
イギリス製の完成品を一度ばらしてからの制作になりました。
ほっとかれた原因の一つは延ばした部分の新パーツ制作が大変だった事。
後はいつものようにサクサクと出来あがり。


延びた窓の型紙を取り塩ビ版を切り出します。

ラピーテープをシンメトリーにカットして窓枠が
出来あがり

トロンのメタルパーツを磨きます

このままだと酸化して黒ずみますので
メタルプライマーでコートしましよう

チョット休憩には、イタリア直輸入の豆に
水はサンペレグリーノの硬水を使用、
こだわりのエスプレッソです。

シルバーレイスとコーニッシュの2ショット
次期FX・・・・

せっかくですのでナンバープレートも作りました。
1/24用をコピーで1/43に縮小します

16日

アストンマーティンのZAGATOモデルが2メーカー2車種が揃いましたので紹介します。
プロバンスとレコードのレジンキットです。
アストンのモデルにはクーペがバンテージ、オープンがボランテと呼ばれています。


プロバンスのボランテ・ザガート

プロバンスのバンテージ・ザガート

レコードのボランテ・ザガート

レコードのバンテージ・ザガート

プロバンスの方が一回り大きい。

レコードはスリムですね。


プロバンスのアップ写真です。


17日
午前中

作業風景「プラサフ」塗装

小パーツの塗装するための固定法

午後の時間

内装パーツとホイールの塗装終了


知人の憂鬱

キットを制作される時間は皆さん、それぞれに異なりますね。
彼は仕事柄大変お忙しい方で制作に3ヶ月かかるそうです。
下記のAMRのキットは何時になることやら・・・。
彼の予想スケジュールでは2050年以降だそうで・・・・。

私はこのキットを元にメルセデス500ZAGATOを制作しようと思って捜していた所、
彼曰く「2個もってますのでお一つどうぞ!」嬉しい御言葉を頂戴し現在手元にあります。
それぞれに欠品パーツがあるらしく、互いにコピーしなければ作れません。
本来は「にこ・いち」のキットが「にこ・に」になり、二人とも「にこにこ」です。
これで彼の憂鬱も無くなりそうです。
2030年までには作ってね!

これが、複製パーツの一部です。
塗料でメッキ仕上げすればOKです。

18日

C292のシルバーがとても綺麗です。
BRAVO&MODULO&FZ-93も負けず輝いてます。


19日
匠の技
17日の日誌で紹介したAMRのキットの欠品パーツの複製方法の一部を紹介します。
なんと0.3mmのエッチングパーツとドアハンドルのキャストにチャレンジ。


シリコン枠の底に粘土で元パーツを固定

上から見てパーツが直線になるように・・。

枠を組立た後にシリコンを注入、硬化をまちます。

底の粘土を取り除きます

メスで中のパーツをキズつけないように切り出します
直線に並べた訳でした

直線に半分に割れたシリコンと元パーツ

レジンを注型しました、薄っすらと中が確認できます

取り出したレジン樹脂と元パーツ

直径1.5mmの0.3mm厚のエッチングもご覧の通り!!!
意とも簡単に作りましたが、材料の管理や特性を把握して、初めて出来る事です。
一つ一つの作業工程には必ず落とし穴があり、ヒントも隠されています。
感性を研ぎ澄まし、素材に語り掛けるように制作しましょう。

全てのマスキングが終わり、塗装完了。
C292がいっぱい




20日
サボっていたサイトのリンクを整理しました。
考察1/43各メーカーから発売のミトスを色々な観点から切る
ページを新設しましたお楽しみに

マスキングの風景


21日
アレザンのアストンボランテ・ザガートを入手しました。
左からアレザン製・プロバンス製・レコード製です。
大きさやラインが違いますが、各それぞれに魅力があります。


こちらはフェラーリ・ミトスです、左からプロバンス製・アレザン製・ホスタロ製の各キットです。
すっきりとしたしたボディの為に形がより把握しやすく観察できます。
フェラーリ&マセラティ展で1/1を見てきた方にはより説得力がありそうですが、どれが御好みでしょうか?
近日中にMOGモデルのキットも紹介できそうです。


オートクリエーションのオズモスbySBARROです。
モデルカーレーサーズの編集長の制作したものしか完成品を見たことありませんでしたが、
10数年たった現在、キットとしてはとても新鮮に写ります。
ホイールをアルミにすると一層足元が引き締まりそうですね。


22日
ファッション誌とカー・オブジェ

普段読む機会の無い、女性誌にインスパイアされてしまいました。

光のマジックに、ポーズや服、女性をどう見せるか?
美しさを表現する方法や素敵な小物類・・・・・
無機質なものを動きのあるものに・・・。
静止している有機体。

ファッションモデルとカーモデル

女性の物欲も計り知れないものがあるようです。
是非、書店でご覧になり確認してみてください。

OSCA創立50周年イベントのために制作したDROMOSのオブジェを
ドレスに見立てて表紙に載せると
ほら、ご覧のとうり・・・・!


メルセデスC292はここまでできあがり、残りはデカールとレンズ&ワイパー。


23日
MOGモデルのミトスが到着
これで4メーカーの現存キットが揃いました。


オートクリエーションのスバッロ・チャレンジのキットを紹介します。お借りしている大変貴重な物。
チャレンジはT型からV型まであります。
このキットをベースに製作予定です。
不思議な物で、同じ日にチャレンジの資料が到着しました。


24日
こんなことも、あんな事もしてました。


25日
ごちゃごちゃの作業台、後片付けはしましょうね。


26日
パソコンで原稿制作します、その後プリンターでクリアーデカールへ印刷。
原稿の解像度数値は600dpiで書き込んでいます。
プリントしたデカールです。綺麗に仕上がりました。


27日
C292の完成です