Ferrari MYTHOS Prototipo

Salone di Tokyo 1989

1989年東京モーターショーでピニンファリーナはプロトタイプ「ミトス」(神話の意)をデビューさせた。
このプロトタイプの研究テーマは「1968赤250P6」「1969黄512S」「1970白MODULO」に表現された
『強烈な革新性』というピニンファリーナの伝統への回帰作。
神話と筋肉とテスタロッサのパワーを持つこの車は当時、西暦2000年を先取りしたフェラーリとも云われていた。
 その21世紀の現在、強烈な個性は色褪せていない。

ピニンファリ−ナ・ミトス-90年代スタイリングへの提言
Pininfarina・MYTHOS―A suggestion of styling for 1990’s.


フェラーリとの協力関係で世界に知られるピニンファリ−ナは、革新的なシェイプと共に90年代の幕を開けた。
それがワンオフのアイデアカー"ミトス"(神話の意)である。
神話と筋肉とテスタロッサのパワーをもつこの車は、東京モーターショーで初めて公開された。

ミトス計画はラマチョッティ(ピニンファリ−ナ・ディレクター)によって推し進められた。
彼は60年代後期のようなショーカー(1968赤い250P5、69年黄色512S、70年白いモデューロのような)
の時代が戻ってくる時だ!と感じていた。
これまでにピニンファリ−ナは新しい素材と技術を駆使して"現実的"なプロトタイプを充分作ってきた。
そして、"ドリームカー"の情熱をもって"より根本的な形態の研究"に戻る時期だと感じていた。

オープン2シーターはロード・ゴーイング・スポーツカーとレースカーの性格を、最もうまく複合でき表現出来る形である。
"バルケッタ"タイプの車体はより軽量化に有利であり、デザイナーの自由度を増し、
ショーカーとしては重要なインテリアもよく見せることができる。
バルケッタはフェラーリの伝統の一部でもある。
初期のレーシング・フェラーリのほとんどがバルケッタ・ボディをもっていた。
"ロードスター"と呼びたがるかもしけないが、この車がイタリアで創造されたことを思えば、イタリア式の呼び名を用いるべきだろう。

ミトスのような車の形状を2次元で決定することはきわめて難しいし、数値制御式工作機械で制作することもできない。
熟練した鋭敏な手により実物大で造形され精錬される必要がある。
この車は、2つのヴォリュームが互いに組み合わさった、彫刻のような形をしている。
この融合の中心は両側面にある巨大なエア・インテークの開口部分だ。
技術的な特色はこのデザインの中核に置かれているのである。


実車の開発ヒストリーはこれくらいにして、
この魅力的なミトスをモデル化した1/43スケールメーカーが多々ありました。
それらを一同に集めマスターモデラー(原型師)の観点やキットのパーツ点数・材質等を比べ
制作過程を楽しめるかどうか!
キット化する際の材料やキャスト技術を推測して見ようという企画です。
決して、何処のメーカーが正しいとか、似ているという事をつき止めるのではありません。

貴方の感性にインスパイアするミトスはきっと見つかります。


東京モーターショーのプレス用資料を入手しました


リーフレットの上には4メーカーのキット。
イタリア・フェラーリの記念すべき特別なコンセプトカーモデル。
発売されたキットは全てフランス製・・・・・・、不思議に思いませんか?


左上から時計回りにALEZAN,HOSTARO,PROVENCE MOULAGE,MOG MODELESです
以降のコンテンツではキットの頭文字をA-H-P-Mと記します。


それではキットの中身を覗いて見ましょう!


Aのアレザンのパーツ類です。ホイールのインナーパーツが5個入っているのはキャストの際に気泡が入った時の予備か・・・
親切というより、キャストに多少不安が残るメーカーですね・・・
ピラーはバキュームパーツに塗装で表現
アレザン特有の柔らかい白レジン、匂いが強烈
デカールは無し



Hのホスタロです、色の塗り訳や実車のマテリアルの違いを把握して各分割がしっかりしている。
レジン・メタル・エッチングと質感の違うパーツで表現
リヤウィングの隅を別パーツにしたのは、気泡残りを避けるためか
ルフ氏が原型制作、気合が入ってますね・・・



Pのプロバンスムラージュは高速時に可動するチンスボイラーがエッチングで付属
コルヌー氏の初期の原型
ぬるっとしたボディであります・・・
パーツ点数が少なく、サクサクっと作れそうだ・・・



Mのモグ・モデルスです、色レジンを使いホスタロを強く意識している。
後出のメーカーというのが伺える
ホスタロを一回り小さくした感じである


添付のインストラクションを見てみよう


A
フランス製らしく全て自国語

H
イラストがARTしている一番判り易い

M
フランス語はわからん・・・

P
完成の写真のみ、どうしろと・・・・

ボディを見ましょう


A

H

M

P

デザイン・コンセプトである二つの塊の融合が見て伺えます
サイドのインテークへの絞込みは各メーカーのオリジナル形状で面白い。
リヤのボリュームとエッジの効いたフロントの形状、わくわくしてしまいます。



A

H

M

P

クルマの顔であるフロントセクションです
角ライトセクションの感じや丸ライトの位置など、写真のみから考察したか、
または実車考察して綿密な図面を引いたか、など各メーカーの資金とやる気が伺えます。
このクルマに対する原型師の好き嫌いもわかりますね。



A

H

M

P

ヒップラインですね、私はお尻フェチですので一番気になります
エキパイの一体化やリヤランプの分割など
四角いお尻と丸いお尻、貴方はどちらがお好み・・・・



A

H

M

P

横からのラインも微妙に違いますね・・・
インテークの角度やR形状、コックピットの前後のバランス・・・
こうして見ると、各モデルの特徴が未組み立ての状態でもよくわかりました。
これらのモデルを難しい工作をせずに、完成させるのも、これからの楽しみです。



形としてのオリジナリティは各メーカー、よく表現されていますね。
それが同一車種だとわかりやすいでしょう。

顔はAがすき、お尻はMがいいとか・・・ボディはボン・キュン・ボンのHがいいとか性格はPだよね・・・・・なんて
理想は妄想の中に仕舞い込みマスターベーションはやめようよ・・・・。

貴方は作るためのキットが好きですか?
それとも紙箱のコレクター?????

痘痕もエクボ・・・だから優劣つけるのはちょっと違うような気がするなぁ。

カッコイイいところだけいただき4コ1にする人はいないでしょう?